「あー…これは決着ですかねェ……流石にここからの逆転は期待できないか。」
聖が、戦場を見渡して呟く。どちらも、収束が見えてきた。
「…デステニィレギオン、か。覚えておくとしようかな。」


〜Three Thieves , Conflict Composition 5〜


「……やっと、会えたね。『癒のムーンストーン』、ムース=ロイヤルブルー!!」
アンズが声を荒げ、周囲に黒い球を生み出す。それが、現れた2人に向かって放たれた。
「もう1人は…雷のトパーズか。」
「トップ=インペリアル。以後、ヨロシク?」
黒球を避け、2人が降り立つ。それと、冷静さを失ったアンズを見て、オーヴィスがため息を吐いた。
「退くぞ、アンズ。」
「ジョーダン!ずっと殺したかった奴が、目の前に居るんだよ?!」
「……聞き分けろ、アンズ=クォーツ。今は状況が悪い。…すぐ、時機は来る。」
オーヴィスが、アンズの頭に手をやる。その直後、アンズが気を失って倒れた。
「今は退く。…オレはオーヴィス=デイサイト。いずれ、ケリはつけよう。」
オーヴィスがアンズを抱き上げ……消える。それを見て、アクィが息を吐いた。
「ふぅ…助かりました。えっと…ムースさんと、トップさん?」
「アクアマリン、オパール。礼は良いから、早くお前らの主人とこ行ってやれ。」
2人が頷く。走り出すアクィ、もう一度だけ頭を下げるオペラ。それを見て、ムースが苦笑した。
「……ホントは、あの6個全部手に入れるつもりだったのに。お人よしだね、トップは。」


「実力伯仲、このままじゃ千日手でしょ。」
「……ちっ。」
アベルと紅が、互いに距離を取る。その直後に、紅のケータイが鳴った。
「あ?オーヴィスかよ……失敗ィ?」
電話の向こうのオーヴィスの声に、紅が眉を寄せる。そして、アベルを睨みつけた。
「デステニィレギオンを名乗る、ムーンストーンとトパーズ、ねェ?」
「良かった。ちゃんと成功したんだ。」
「全部テメェの計算どおりかよ。」
小さく舌打ちして、跳ぶ紅。電柱の上に着地して、アベルを見下ろす。
「仕方ねェ、今日は退いてやる。けど…いつかテメェは、オレが盗んでやる。」


「お前はどうして椿を手伝ってんだ?『服従』じゃなくて『自律』だろ、お前は。」
「…この力、バケモノみたいだろ。椿は、初めて僕を受け入れてくれたんだよ。」
ディアが閉じた目を開き、新を睨む。それを見て、新が苦笑した。
「椿の願いを叶える為なら、僕は悪にだってなる。」
「お前が悪になんてなったら、俺が哀しむよ。」
「…は?」
新からの意外な言葉に、ディアが思わず目を丸くした。
「兄やの言う通り。……僕ら全員君を許すから、自分が悪い奴だなんて思わないで。」
「部屋はちょっと手狭だけどね。それでも、共同生活も悪くないわよ。」
後ろから聞こえた声に振り返る。アクィとオペラが、そこに立っていた。
「俺はお前を悪になんてしないから……俺たちと一緒に生きよう、ディア。」


「あの宝石は願いを叶えるって聞いた。椿、お前は何を願ってこんなコトしたんだ?」
「ヤナ君には、理解できないコトだよ。……僕は、君との血縁関係を消したかったんだ。」
「……俺が嫌いだから、そんなことを望んだのか?」
椿が、沈黙する。柳が、それを見て少しだけ顔を歪めた。
「……お兄ちゃん?椿くん?」
「…桜?!」「さ、桜ちゃん?!」
通りかかった、柳の妹…恋塚桜。椿の姿を見て、慌てて駆け寄ってくる。
……その怪我はどうした云々、昨日はどこに泊まった云々。質問攻め。
それに対する椿の反応を見て……柳が、あることに気づいた。もしかして。
「『イトコ』じゃ恋愛対象にはならねェからなァ。」
「…新、まだそう決まったわけじゃ。」
…横からチャチャ入れる新に返しつつ、正直、多分それで正解。
「椿。お前、ホントにその願いを叶えたかったのか?」
「う〜〜……ディア!」
顔を真っ赤にした椿が、ディアを呼ぶ。振り返ったディアと、目が合う。
「…そいつと、生きたい?」
「…椿。」
「今まで有難う。…影守新。ディアを、宜しく頼むよ。」

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