「さぁ始めようか?スリースピーカ。楽しい楽しいお遊戯会を、さ。」
暗い部屋の中で、跫太郎がくすくすと笑っている。
部屋の入口からそれを見ている快斗が、小さくため息を吐いた。
「あんまり大暴れしてくれるなよ?折角の学園祭をぶち壊すな。」
「さすが快斗はNOISE一の平和主義者だね。でも知ってるだろ?僕はNOISE一の派手好きだ。」
「跫太郎、お前…」
「僕は何の為に2週間ガマンしたんだ?」
跫太郎が立ち上がり、歩み寄る。そして、快斗の隣に並んだ。
「派手に、行こうじゃないか。」


〜Cannibal From Carnival 3〜


「結局、当日まで何もして来なかったな……」
一人、屋上からフェンス越しに体育館を見下ろしながら煌華が呟く。
初葉と秩太は、自分のクラスで働いている音穏と響を冷やかしに行っているはずだ。
「今、12:00…軽音楽コンサートは13:00から。まぁ、僕らの出番は最後だけど。」
「でもって、キョータロと快斗が最後から2番目、だろ?」
「新春…そっか、シフト終わりか。けど、まだ髪飾りが付いてるよ。」
新春の髪からピンを外す煌華。新春が煌華の隣に並んで、体育館を見下ろした。
「……仕掛けてくるとしたら、今日だろうな。」
「それ以外、もう在り得ないだろ。…折角の学園祭だってのにね。」
煌華のセリフに、眼を丸くして新春が振り向く。
「お前ら機械でも、楽しみたいって感情はあるわけ?」
「初葉と秩太は知らない。けど、僕は……僕には、少しは感情はあるよ。」


「何だ、思ったより観客は少ないのな。」
「そうだねェ…まぁ、出演者も少ないわけだし。」
体育館のステージ。その舞台袖で、初葉と秩太が話す。現在、12:52。
周りを見る限り、せいぜい出演は5グループというところか。
「ゴメン、遅れた。ちょっと新春に付き合ってたら時間食っちゃって……で、どう?」
「遅いぞリーダー、全く……今ンとこ動きなし。」
「勘違いだったんじゃ、って思うくらいに不気味。」
3人が、気付かれない程度に快斗と跫太郎を見やる。
「何が起きるか判らないんだし……2人とも、聴覚開放しておいて。」

『有り難う御座いましたー!!さて3組目が終わり、次は3-2の名物コンビの登場です!』
「…出てきた。あの3人は、まだ舞台裏か。さて、どう攻めてくるか。」
観客席の前の方で、新春が舞台を見上げて呟く。快斗と跫太郎が、出てきた。
『えーっと、3-2の防人跫太郎です。僕らの音楽の力で、君たちをノックアウトしましょう!!』
「……跫太郎、まさかお前!!」
「この観客は、人質だ。」
跫太郎が、足を踏み鳴らす。新春の頭に、殴られたような衝撃が起きた。
「正体を隠すために観客を見捨てるか?それとも、楽しい学校生活に別れを告げるか?」
「やりすぎだぞ跫太郎!!」
「最初はシンバルにしただけでも、褒めてほしいな。」
MCが首を傾げる中で、跫太郎が舞台袖に眼を向ける。
2人を睨みつけている、スリースピーカと目が合った。
「さぁ、派手に行こうじゃないか……NOISE五黒鍵、防人跫太郎が遊んであげる。」

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