「依織が捕まったって?1人は帰って来ないしボロボロだねぇ、僕達NOISEも。」
アクアリウムのような部屋に、4人の男。そのうちの1人の報告に、もう1人が笑う。
「…リーダー?何を笑っている。」
「ボロボロなのはお互い様だろう、オーケストラもな。」
リーダーと呼ばれた男の言葉に、3人が考え込む。1人がポンと手を叩いた。
「スピカがどうとかって奴?」
「スリースピーカだよ。オーケストラ内部に反対派も居るんだっけ?」
「しかし強いのは事実だ。現に五黒鍵以外のメンバーは幾人も捕縛されている。」
「ふ〜ん……でもさ。依織を倒したのはシンバルなんでしょ?」
1人がパンッ!と両手を打ち合わせた。それを見て、リーダーが苦笑する。
「……じゃあ次は、お前が行ってみるか?跫太郎。」


〜Cannibal From Carnival〜


「「「学園祭?」」」
「そ。お前ら、軽音楽コンサート出てみる気ねェ?一緒に出ようぜ。」
新春がスピーカ3人にチラシを見せる。『生徒会主催:軽音楽コンサート』。
「ちなみに、コレ出ればクラスの出し物は手伝わなくてOK。」
「何、手伝いたくないから僕らを巻き込もうって?」
「だってさ煌華……『冥土喫茶』だぜ?女装&男装。」
新春が肩をすくめるのを見て、初葉と秩太が苦笑する。
「ま、女装して接客とかはしたくねェしなァ……」
「折角の学園祭なら、少しは楽しみたいよね。」
「ん〜……じゃ、僕らでスリーピースバンドでもしようか。」
「は、ちょっと待てオレは入れてくんねェの?!」
煌華が頷くのを見て、初葉と秩太がもう一度苦笑した。


「へー、初葉くんたち楽器できるんだ?」
「まぁな!ネオンも当日は聴きに来てくれよ?」
「雑賀は女装してるだろうから目立ちそうだがな。」
「響はキッチン担当なんだっけ。クラスのお店にも顔は出すよ。」
響・音穏が持ってきた清涼飲料を飲みながら談笑する4人。
1人だけ輪から外れた煌華が、ケータイを持って戻ってきた。
「ごめんねお待たせ。それじゃあ、そろそろ練習しようか。」
煌華の言葉に頷いて、初葉と秩太も立ち上がり……
……その直後、教室のドアががらりと開いた。
「アレ?ココも誰か使ってる?」
「もう学校内で残ってる練習場所なんて無いんじゃないか。」
入口から2人の少年が顔を出し、部屋の中を見回す。
煌華が振り向くと、視線が合った1人がニコリと笑った。
「お騒がせしてゴメンね?僕は3年2組の防人跫太郎。」
「俺は跫太郎のクラスメイトで、生徒会庶務の異世快斗。」
跫太郎が、右手を差し出して握手を求める。少しだけ考えて、煌華が応じた。
「キミらもコンサートの出場者?ライバルだね〜!……これから、よろしくね。」
「……こちらこそ、よろしくお願いします。」

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